自己肯定感の高い人と低い人の差(2歳までの親の接し方)
■背景/日本人の若者たちの自己肯定感の低下:2019年の内閣府の調査によると、日本人(13歳―29歳)の自己肯定感は欧米諸国(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)に比べて低い。
■統計:人は1日に6万回の思考を行い、そのうちの80%(4万5000回)はネガティブな思考と言われている。失敗や危険から遠ざける自然な信号。
■問題:新しい事に挑戦するとき、経験するときに自己肯定感の低い人は、そのチャンスにブレーキをかけてしまい、行動が消極的になってしまう。対人関係においても周囲にネガティブな感情が高まり、攻撃的になったり、コミュニケーションを上手くにとることが出来なくなる。
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■自己肯定感の高い人:『私は大丈夫だ!』と思える。他者から受け入れられ、愛されていると感じる状況。人間関係を安定しやすい。他者に対する信頼感が高い。
■自己肯定感の低い人:『私はだめだ!』と思いやすい。親から拒絶されているような状況が続き、マイナス思考が強まる。人間関係を不安定にしやすい。
マイナス思考⇒悲しみ、不安、怒りなどの感情を抱え込みやすい。その結果、人を避けたり、完璧主義に陥ったり、権力志向になる=自己防衛戦略。他者に対する信頼感が低い。
■そもそも論:赤ちゃんは生まれ小さく裸で、無防備である。赤ちゃんは自分を受け入れてくれる人を求めるので必死である。そのため『自分はダメだ』という信念が強い。越さない子供は親の行動の良し悪しを判断できないため、親は間違ったことをしない偉大な存在である・(自然)。人間は親に助けに依存し生きているため、根っからポジティブはない。受け入れの愛を感じる事で、自信や自己肯定感につながる。
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■自己肯定感はどう決まる(影響する)のか?:親との関わり方で決まる。
誕生してから2年間で感じたことを基に、自分が愛されているのかどうかを学び取る。
■■どのように?食べ物を与えてくれるか、身体を洗い、おむつを替えてくれているか、スキンシップ、撫でてくれているか、声のトーンなど。⇒自分が価値あるのか、他者を信じていいのか自己肯定感、自分も含めて他者を信頼できるかの基礎ができる。この2年間で愛情やケアが足りないと自信がつきにくく、他者へ不信感を抱きやすい。
ポジティブとネガティブの信念のバランスは、6歳ごろ(=誕生後6年間)までに出来上がる。この時期に脳の構造がほぼ完成し、なかでも2歳までの経験が大きく影響する。
■注意点:子供を守るため、1歳を過ぎて『〇〇はダメ!』が連発するのも危険。例:花瓶に触ってはだめ、おもちゃで遊んではだめ、口に入れてはだめ。
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■自己肯定の低い人ができる対処法:①自己認識(自分のネガティブ信念を知る事)。ネガティブ思考に気づきプラスに変換すること。自分の長所と短所を書き出し、短所をどうすればよいかを考え行動に移してみる。
➁自己達成を認めること。成し遂げたことを素直に認め、価値あるものだと言い聞かせること。⇒自分自身をしっかり知ることで、自分をコントロールできる。他者への劣等感、妬み、攻撃をすることなく、穏やかに接することができる。
③周囲に親切になる:席を譲る、ボランティアをする、寄付をするなど。人に役立ち、感謝されると、幸せホルモンの『オキシトシン』が分泌され、幸福感を得やすい。
④成功体験を積む:小さくても、人に褒められたり、早起きができた、本を読み切ったなど『できたこと』を書き出すと達成感を感じやすい。
⑤自己肯定感の高い人と一緒にいる。いつも元気な人、笑顔な人、前向きな人、行動する人と一緒に過ごすと自分の言動や行動もポジティブになってくる。
⑥ポジティブな言葉を積極的に使う。『私なんて、すみません』より、ありがとう、助かりました、やってみます、何とかなります。
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参照:
シュテファニー・シュタール:心理学者
https://toyokeizai.net/articles/-/478161