長谷寺(ちょうこくじ)
■近田山(きんでんざん)長谷寺。臨在級相国寺派の寺院。津市街の西方にある長谷山の中腹に位置するお寺。長谷山の参道にも続く。本尊(ほんぞん):十一面観音菩薩。あらゆる方向に顔を向け、すべての人を救済してくれる観音。十一の顔をもつ。
■歴史:開基(開山):徳道上人(とくどうしょうにん)が大宝年間(701-704年)に創設。
佐々木氏や北畠氏の祈願所でもあったが、度重なる兵火で廃絶していたのを二代目津藩主の藤堂高次(たかつぐ:高虎の嫡男)公が再興した。※開基=仏寺を創立すること。
■毘沙門天(びしゃもんてん/ヴァイシュラヴァナ);仏教の守護神。別名、多聞天(たもんてん)と呼ばれ、四天王の一人として北を守っている。身丈が180㎝で甲冑(かっちゅう)をまとい、邪鬼(小型の鬼で祟りをする神、悪魔とも呼ばれている)の上に立っている。藤堂高虎公が文禄(1593-1596年)年間に、(豊臣秀吉の)朝鮮出兵の際に大陸(朝鮮半島?)から持ち帰ったものと伝えられている。(石仏は高虎、寺の再興は高次)奈良の長谷寺(はせでら)を模している。戦いの武神。武装しており、相手を圧倒する迫力ある表情がある。右手には宝棒(ほうぼう)と呼ばれる武器を持っている。疫病退散の神としてもご利益がある。
※藤堂高虎は、当時秀吉の弟、秀長に仕えていた。
■藤堂高次:
■六道の異国風石仏。(なぜ異国風か⇒衣類が朝鮮風、顔が細く日本の仏像の顔と違う、医師の色が津市周辺と違うから。)
聖観音(しょうかんのん):本来の姿の観音のこと(変化の観音の区別して指す)。
如意輪観音(にょいりん・かんのん):『如意』=意のままに智慧(知恵)や財宝、福徳をもたらす宝の珠のこと、『輪』は、煩悩を打ち砕くこと法輪を指す。そんな手をもった観音菩薩ちうこと。
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■山号(さんごう):寺院の名に冠する称号。日本では禅宗渡来後に広まる。多くは寺院は山中に建てられたところから、その山の名を寺院名に冠するようになった。例:比叡山、延暦寺。
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■宗派:臨済宗相国寺派(しょうこくじは)に属する津市の寺院。1382年(南北朝時代)、
夢窓疎石(むそう そせき:三重県出身)により始まる。末寺(まつじ)は日本各地に約100か寺。
相国寺(本山・足利義満により建立):京都市上京区にある相国寺派の大本山の寺院。足利将軍家ゆかりの禅宗。京都五山第二位に列せられる。金閣寺(鹿苑寺―ろくおんじ)、銀閣寺(慈照寺―じしょうじ)は同宗派。画僧の周文や雪舟は相国寺出身。
京都五山(=臨済宗の寺院の寺格で別格とされる南禅寺とともに定められた5つの禅宗の寺院。)
■臨済宗とは?:禅宗の一つで中国から明庵栄西(みょうあん・えいさい)伝わった仏教で、鎌倉時代以降に広く広まった。坐禅をして悟りを得ることが重視。ひたすら座ることで、身、息、心の調和を取り悟りを獲得する修行を追求する教え。
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参照:
https://chokoku-ji.com/history/
https://isekannon.jp/otera_list/chokokuji/
https://blog.goo.ne.jp/misatotanken/e/efc27c190e0cb5036b1e9a3e18a0dbb8