年越しそば Buckwheat new years eve
■年越しそばの由来:
諸説あるが、1) そばは切れやすいので一年の苦労や厄災を断ち切って新年を迎えるという願いから。(他、2)そばは細く長く伸びるから寿命を延ばし、家運を伸ばす願うから説。)願掛け、験担ぎ。除夜の鐘が鳴り始めるまでには食べ終わった方がよい。縁起物なので残さずにきれい頂くのがマナー。
■そばの歴史:江戸時代の中期頃から、健康によい縁起物として全国各地で食べられるようになった。(本朝食鑑:ほんちょくしょっかん:食べ物の研究書)
■ニシンそば:京都の名物料理。淡い色の薄口ダシ汁に、そばとニシンの甘露煮をのせたもの。好みで刻みネギを。上品なだし汁にニシンの脂が溶け出して独特の深いコクが魅力。淡白なそばと、こってり煮込んだニシンの調和が良い。ニシンには良質なたんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富で健康食材であるそばを組み合わせて京都で発明(1882年明治15年、松葉二代目の松野与三吉)されたとされている。江戸時代から明治時代にかけて北海道から大阪や江戸へ物資が運ばれた北前船(きたまえぶね)により、ニシンが本州に輸入された。
■その他の年越しそば。
例:割子(わりご)そば。釜揚げスタイルで、ゆで汁をお椀によそいます。(島根)
越前おろしそば(福井)大根おろしと生醤油で味わう。
わんこそば(岩手)。1人前はわんこ7杯とも。
■ニシン(鰊):別名、春告魚(はるつげうお)、体長30-35㎝。
日本では北海道で獲れる。
Pacific Herring. 冷水域を好む回遊魚。日本では江戸時代ごろから食用されてきた。海外でもオランダ、ドイツなどヨーロッパ各地でも人気の食材である。旬は場所にもよるが10月から3月頃。
■『ニシン』の名の由来・歴史:身欠きニシンを作る時に、身を二つに割る事から、身が二つという意味で、『二身=ニシン』となったのが始まり。卵は、数の子の材料。江戸時代後期から、大量に獲れ、当時の松前藩はコメが取れない代わりに、ニシンの干物、身欠きニシンを年貢として納めていた。干物以外にも、脂を絞り鰊粕として肥料に使い財源として活用された。
⇒物流が発達していない時代、北海道からのニシンの干物が内陸部、山間部にも貴重な食糧源とされた。
■数の子(カズノコ):ニシンの子であるが、ニシンはアイヌの言葉で『カド』。カドの子が訛って、数の子へ。
参照:
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/nishin2.htm