鉄鉱石とは?Iron Ore
■鉄鉱石とは?Iron Ore
鉄の原料になる天然の鉱物。酸素を中心にその他の物質と結びついて存在する。
磁鉄鉱(じてっこう)Magnetite Fe3O4 :70%以上の鉄分を含んでおり、強い磁性を持っている。赤鉄鉱(せきてっこう)Hematite Fe2O3:ヘモグロビンの語源Haimatitisに由来。磁鉄鉱よりも還元しやすい。すり潰して粉状にすると、赤褐色になる。
『産業のコメ』と呼ばれ、鉄鉱石は建物や自動車などのインフラ設備に欠かすことのできない部材。鉄鉱石と石炭を混ぜて高温の火で溶かして中から鉄分を取る。それを冷やし固めたものが鉄。
■分布地域:安定陸塊に分布。鉄鉱石の鉱床(こうしょう:資源が採掘して採算が取れる場所)ができたのが、先カンブリア時代。光合成をする生物があらわれ、酸素が盛んにつくられ、これが海中の鉄分を結合して酸化鉄となって沈殿したから。
オーストラリア:ピルバラ地区のマウントホエールバック鉄山
アメリカ:メサビ鉄山
ブラジル:カラジャス鉄山、イタビラ鉄山
インド:シングブーム鉄山
■鉄鉱石と外交関係
鉄鉱石が豊富⇒国内の供給が安定⇒工業化しやすい(+人口が多いと経済効果が見込める)
⇒経済力アップ⇒植民地として紛争の原因にも成り得る。
例:南アフリカ⇒91年アパルトヘイト廃止後、外資系企業が参入。特に自動車産業に政府は優遇策を展開。鉄鉱石の資源が豊富な事もあり、経済成長を遂げる。中間所得者の増加。今や欧米に対抗。
■戦争の過去の実例
フランスとドイツ(石炭と鉄鉱石)⇒アルザス=ロレーヌ地方(フランスとドイツの国境)は鉄鉱石の産地。普仏戦争(1870年)の敗戦により、フランスは鉄銅山と機械工場を失う。一方、プロイセン(=ドイツ帝国の中核王国)で発掘される石炭を用いて牛工業を発展させていった。鉄鋼と石炭は軍需産業の重要な資源。
■日本と鉄鉱石
日本は新期造山帯の為、鉄鉱石とれない。明治時代、日本は軍事工業を中心とする重工業を発展させることに努めた。⇒商社が外国(中国やインド)にある資源を輸入。現在は、オーストラリア、ブラジル、南アフリカから輸入。100%輸入。
■世界の産出国
鉄鉱石産出国 2019 |
||
1 |
オーストラリア |
37% |
2 |
ブラジル |
19% |
3 |
中国 |
14% |
4 |
インド |
8% |
5 |
ロシア |
4% |
6 |
南アフリカ |
3% |
7 |
ウクライナ |
2% |
8 |
カナダ |
2% |
9 |
アメリカ |
2% |
10 |
イラン |
2% |
参照:
学びなおすと地理はおもしろい 宇野仙
https://www.nipponsteel.com/company/publications/quarterly-nssmc/pdf/2017_18_10_13.pdf
https://www.globalnote.jp/post-1948.html
http://www.newsdigest.de/newsde/news/featured/5715-970/
https://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/story/index3.html
https://kou.benesse.co.jp/nigate/social/a13z0306.html