NZTAKMANのブログ

30代。政治経済/社会/異文化/筋トレ/チームマネジメント

ドイツ人ははぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか

 

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■ドイツではなぜ、出社しない働き方が普及したのか

テレワークは雇用者と被雇用者でウィンウィンを生む

雇用者:生産性向上、業務の効率化、グローバルな人材獲得、多様性に富んだチーム編成。有能な外国人を積極的に採用:リモートでも英語が話せて、専門的スキルがあれば問題ない。ロックダウンのような飛行機が飛ばない状況でも、業務に支障なし。(LinkedIn) オフィス費用削減(電通3000億)。経費節約効果⇒収益、株価アップ
金融機関⇒キャッシュレス化が加速。リモート会議⇒飛行機代、ホテル代、時間節約、ビザ不要 例:ハイブリッド型勤務モデル ジーメンス⇒週2,3回はテレワークを導入
被雇用者:あらゆるストレスが減る、

通勤時間ゼロ、家族とのワークライフバランス、自分の好きな時間に働ける、生産性が高い(集中力アップ、残業しない)、オフィスよりも快適に働ける。

 

■『むやみに出社させない国』に進化したドイツ

インダストリー4.0とは:ドイツが進める製造業の革新(第4次産業革命)。2011年に発表したドイツ政府が主導し、産官学共同で進めている国家プロジェクト。コンセプトはスマートファクトリー。スマートファクトリー(考える工場)とは、機会や人間、その他あらゆる企業資源が相互に接続通信して、生産プロセスをより効率化、高品質化させるための概念。例:稼働状況の見える化、適切なオペレーションや故障予知、製造日時や納品場所の情報共有を自立して判断できる。より深い分析と複雑なオーダーに対応でるようになる。指すビジョンは、完全自動化とデータ管理。単純作業は機械にませて、労働者の役割は生産プロセスの構築、管理、監視などのクリエイティブな分野へと変換していく。

ドイツの約99%は中小企業で技術力が高く、特許出願数も多い。日本の下請けと違って、商品を見本市でアピールして、海外へ売り込む志向が強い。インダストリー4.0は、このような販売気質の追い風となる。

 

■『ひとりひとりがマイペースで働く権利』を保障する国

テレワークを支援する法的仕組みが充実している。

『モバイルワーキング法(2020年)』:働き方を会社側と協議できる権利

『労災保険の見直し』を提案:テレワークをしている労働者が、子供の送り迎えで発生した事故もカバーするべきでは?という改正案。

『働きすぎを防止』する提案。テレワークでも『1日10時間以上の労働や20時以降の就業』を禁止するべきでは?。健康のため。テレワークで労働時間が長くなりがち。

『経費の見直し』:パソコン、プリンタなどのデスク周りの機材代を誰が負担するべきか?
『社会的市場経済』:政府が法律や制度によってまず枠組みを作り、企業はその中で競争する環境を好む。⇔米英国の小さな政府。自由放任主義、自由競争。

 

■経済的な豊かさよりもオフタイムを大切にするドイツ人

日本人:仕事:家庭7:3 ドイツは5:5

ドイツでは自分の都合や家族との時間を充実させることも、仕事と同じぐらい大事であり、市民の権利を守る法律と労働組合がかのような環境を可能にした。例:10時間以上働いてはいけない法律がある。残業なしが望ましい。例:労働時間 日本(1644)ドイツ(1386)

30日間の有給を100%消化している。代わりの人さえ準備できれば問題なく、妬みもなし。

ドイツでは、有給消化は労働者の当然の権利という風土が根付いている。(世界的にスペイン、ブラジルも高い。)日本は50%と低い。 他、サバティカル制度や両親支給金

ドイツの労働生産性は短期集中型で、日本の1.5倍。

■人をつながり、幸せを分かち合う国、ドイツ

1)政府の考え方の違い

ドイツ政府:経済成長の維持<人命

日本政府:経済成長の維持> 人命(具体的な政令や規制を伴わない要請)

2)財務状況

ドイツ:2014年―2019年は財政黒字。G7の中で連続黒字はドイツのみ。

潤沢な支援金を提供できる。レストラン経営者や自宅待機労働者へ。

日本:公共債務残高 対GDP 239%と先進国の中で最低水準。

つまり、コロナ対策に使える資金がない。

 

3)ドイツ人の価値観

健康を害したり、家族との関係を疎遠にしてまで、会社のために仕事をしようとは思っていない。まずは自分ありきであり、仕事と同じくらい家族と過ごす余暇、ワークライフバランスも大事。ドイツ人にとって、自分のために時間を使うことは、ブランド品がどうとか、収入の多寡(たか:多いか少ないか)より豊かな生活。

 

■筆者から日本へのメッセージ

労働人口が減る日本にとって、勤勉で優秀な外国人労働者を受け入れる必要がある。そのためには、既存の日本の仕事中心の価値観や仕組みを改善し、『生活の質』も見直し、理解しないといけない。

 

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日本との働き手の理想像

ドイツ:『成果主義』短時間で成果を出す人、残業なし、成果を出せば会社にいること自体は評価しない

日本:『頑張ること』『努力すること』を重視。集団主義。我慢

『人に仕事がつくから仕事に人がつくへ』=この人しか知らない、できない事がある=縛り傾向。一つの仕事に複数の人が把握している状態。柔軟に緊急時も対応しやすい体制。

1)制度(人事評価、育児介護休暇、ワークライフバランス、副業など)

2)ツール(チャットツール、テレビ会議、共有クラウドスペースなど)

3)風土(個性、多様性、対話、チームワーク重視)

参照:

https://www.fusion.co.jp/blog/2018/10/hr-tech/

https://www.digital-transformation-real.com/blog/industory-40.html