NZTAKMANのブログ

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中国が勢力拡大(領土問題)に固執するのはなぜか?

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 未解決の領土問題―領有権の拡大を常に狙う。

1)南シナ海問題(VS台湾、べトナム、マレーシア、フィリピン、ブルネイの6か国)

2)尖閣諸島:日本、中国、台湾と3か国で争い。

3)カシミール地方:インドとの国境紛争

 

◆中国の狙い(2012年―習近平政権):世界の覇者。米国を抜く世界ナンバー1国家。『中華民族の偉大な復興』(スローガン:屈辱の100年を乗り越え、世界の王となれ)

『一帯一路』構想の実現(2014―)。中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパへ続く現代版シルクロード経済べルトのこと。この地域にインフラを整備し、アウトバウント投資を積極的に進める産業活性化プログラム。北米市場に対抗すべく巨大ネットワーク。

 

歴史的背景:支配による専制政治を理想。①『大一統』思想:広大な国土を確固たるものにし、広域に分散した多民族、多人口をまとめる中央集権体制。

紀元前の始皇帝の時代から皇帝の1トップの王朝体制が1911年まで2132年続いた過去があり、中国は皇帝による専制政治を目指す歴史がある。

中華思想:漢民族の自民族中心主義の思想。

 

◆なぜ支配的統一にこだわるのか? 陸軍×従属関係×国家管理主義

ランドパワー国家の性質だから。国境を挟んで隣国他国からの侵略を受けやすいため大量動員の陸軍は重要。防衛が最優先のため、国家の性格は閉鎖的で、中央集権的な軍国主義の特徴を持ちやすい。国境線の緊張感は産業面にも影響し、他国と交易パートナーとして平等性よりは、従属的(支配的)な関係性を良しとする傾向がある。したがって国土の広さは、国家発展のために不可欠なため領土に対する執念が強い。資源や領土を求めて、隙があらばどんどん武力で敵隣国へ勢力を拡大する。また、自国の民族性をもっとも尊び、異民族を蔑む性質(華夷体制)があるため、国際関係は主従的な思想が強い。これらの特徴が融合すると、政治姿勢は圧政支配と命令服従の国家管理主義の色が極めて強い。

 

◆中国の覇権的な行動や政策

経済:元の為替操作、イランや北朝鮮に違法に通信機器を輸出。

技術:米企業の最先端技術や知的財産の侵害、国家機密を盗取。

軍事:民間の技術を軍事用に提供。

外交:習近平の長期独裁政権。台湾を併合化。内政不干渉の国家絶対視主義。(政治への発言や宗教の自由なし)。

国内統治:人権弾圧、監視国家。民主主義や開放自由に関する情報を徹底的に遮断させる閉鎖主義。

安全保障:南シナ海で不法占拠や防空人試験の一方的な設定。国際組織や国際法を軽視する(国際仲裁裁判所の裁定を認めない)

武力行使。法の支配より力の支配。戦後、他国に対して武力を行使した頻度で中国は世界最多。軍事力行使による解決。

 

◆普遍的価値の欠如

近代の国際社会では平和や共存をベースとし、民主主義、自由、平等、法の支配、人権の尊重や環境の配慮などが世界各国での共有の価値である。(普遍的価値)

これからの社会を実現するには、互いを尊重し助け合うパートナーシップ型であり、武力や権力主義による支配主義の社会ではない。

中国がもつ異質な政治思想や政策は、自国の発展のみを優先させ、世界各国から不信感を与え、脅威認識されている。このまま経済力を伸ばし、国際的影響力が強まれば、他の民主主義国家にとっては危険因子となるだろう。

 

参照:

多元化する中国ファクター

https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2018/ISQ201820_016.html

中国の覇権戦略に、日本はどう立ち向かうのか

https://shuchi.php.co.jp/article/4251?p=2

中国が拡大する本当の理由は、生存権拡大の地政学にあった。

https://online.sbcr.jp/2015/06/004048.html

中国の脅威分析と日本の対中国基本戦略

https://ippjapan.org/archives/1530

中国の領土問題とは/日本人として知っておきたい領土問題

https://mainichi.jp/articles/20140728/mul/00m/030/00700sc

http://nihonseiji.com/special/ryodo

ランドパワーとシーパワー

http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k5/151208.htm