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香港国家安全維持法施行

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◆中国政府は6月30日、『香港国家安全維持法』を制定、施行。

この法は複数の行為を犯罪みなし、最高で無期懲役を科すとしている。処罰対象の犯罪行為の定義はなく、法律の解釈は中国当局が握る。これにより、香港永住者のみだけでなく、非香港永住者にも、(中国政府)国家安全の脅威と判断された場合、香港で逮捕、処罰される可能性がある。そのため、ネット(SNS)を含む民主化運動や反政府への発言や活動などへの取り締まりが厳しくなる。さらに中国の治安当局が香港に出先機関を設け、事件の審理は行政長官が指名した裁判官が行うという中国政府支配の構造となっている。(なお、中国政府に香港の国内統治権があり、香港行政長官を任命したり、香港特別行政区基本法の解釈権は中国政府にある。)

 

民主化デモの経緯

1989年『天安門事件』香港議会は中国政府の武力行使に抗議デモ。

1997年香港が英国から中国に返還。一国二制度を適用。50年間は社会主義性悪を実施しない事、外交と軍事以外は高度な自治を保障する事、(84年中英共同声明)法律の体系は英国式、経済は資本主義で死刑制度なし。公用語は広東語と英語。今回これが崩壊。

2014年『雨傘運動』。香港行政長官選挙において、中国政府が民主派の立候補者を排除する選挙方法に抗議するデモ。(デモ参加者は雨傘で対抗したため)

2019年『逃亡犯条例』の改正への抗議デモ。中国本土へ容疑者(中国政府に批判的な立場の人)の引き渡しを可能にする条例。

 

中国政府の狙いー①国内統制力を強めたい。1党支配を強化。②民主化運動、デモ反対勢力へのけん制対策。③欧州を含む対米政策。他国からの内政干渉を避ける。例、外国籍裁判官の無効化。トランプ政権『香港人権法』米国務省が毎年、中国が『一国二制度』を守っているかを検証する事を義務づける法案。92年から香港は関税やビザ発給に優遇してきたが、香港の自治や人権を侵害した人物にたいして、アメリカへの入国禁止や資産凍結の制裁の可能性もある。言論統制と選挙干渉。

 

香港国内外の懸念

政治的な影響:民主化活動の禁止、中国政府への不信感、一国二制度の破棄(97年から五〇年間維持すると約束)、力で支配する前例となり、台湾や少数民族など近隣諸国への強硬姿勢が拡大する可能性

社会的な影響:アイデンティの欠落、強権支配におびえる社会(不健康)、

表現や言論の不自由、非人道的な処罰や理不尽な逮捕、武力支配な社会。国際社会からの批判、国際公約破棄。

経済的影響ー外国企業の撤退や縮小、外国からの投資や旅行客減少。特に米国のネット企業の動きが注目される。親中派経営者により国際的パワーバランス。

 

参照:

中国、香港国家安全維持法を制定。

https://sustainablejapan.jp/2020/07/05/china-hong-kong/51647

香港国家安全法強行に透ける中国の本心
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/special/2020/07/0709.html

『香港人権法とは』?

https://www.huffingtonpost.jp/entry/hong-kong-human-rights-and-democracy-act_jp_5ddf2340e4b0d50f329c3428

習近平はなぜ香港国家安全維持法を急いだのか?

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200707-00186925/

香港の安全法制 一国二制度を崩壊させる

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/622273/

5分でわかる香港の歴史

https://honcierge.jp/articles/shelf_story/8142