二重敬語①『お~なる』と『拝見する』
■二重敬語とは?
同じ種類の敬語をふたつ重ねた言葉を指す。メールを書く際に相手へ気遣いや敬いの気持ちが強すぎて、(相手を見下したり)相手に不快な思いをさせてしまう言い回し。相手から敬語の使い方を知らない人だと、評価や信頼を落とすきっかけにもなる。
慇懃無礼(いんぎん・ぶれい):非常に丁寧で礼儀正しいのも、すぎると嫌味になりかえって礼を失することになること。表面上礼儀正しく丁寧そうだが、尊大で相手を見下げているさま。
『慇懃』とは、非常に丁寧で礼儀正しいさま。
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×拝見させていただきました⇒拝見しました。『拝見する』は見るの謙譲語。
■解説:『拝見する』は、自分の見る行為を謙って、目上の人や上司に伝える時に使う言葉。
よって『拝見させていただく』は謙譲語が重なり不適切。ちなみに目上の人に見てほしいときは、『拝見してください』ではなく『御覧ください』が正しい。
×メールは拝見していただきましたか?(失礼な言い方)⇒◎私のメールはご覧になりましたか?
■解説:『していただく』は、『~してもらう』の尊敬語。つまり自分を立てることになり、拝見していただきましたかは不適切。
■類似の尊敬語。
拝借する(借りる)、拝読する(読む)、拝謁(はいえつ、身分の高い人に会うこと)する、拝観する(芸術品、国宝などを鑑賞すること、見る事。)
■例:『お~なる』パターン。
×お帰りになられました⇒◎お帰りになりました。/帰られました。
×ご覧になられました⇒◎ご覧になりました。
×資料をご覧になられましたか?
×ご連絡させていただきました。⇒◎ご連絡いたしました。
×お召し上がりになられますか?⇒◎お召し上がりになりますか?
×山田さんが企画書をお書きになられる。⇒◎お書きになる。
×オフィスに伺わせていただきます⇒◎うかがいます。
×お見えになられました⇒◎お見えになりました。
×お求めになられました⇒お求めになりました。
■解説:尊敬語。『お~になる』『ご~になる』で、相手または話題中の第三者の動作・行為を意味する尊敬表現。◎お話になる、ご説明になる。
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参照:
https://news.mynavi.jp/article/20201223-1598736/
https://www.njg.co.jp/column/column-34025/
https://directscout.recruit.co.jp/contents/common/0001_business/