アフガン政権崩壊
8月15日反政府武装力タリバンは、首都カブールを制圧し大統領府を占領したと勝利宣言した。ガニ大統領は国外脱出し、民主政権は瓦解（がかい）した。2001年の米中枢同時テロを受け、米英軍で旧政権を崩壊してから、20年ぶりにタリバンが復権した。
背景：2020年米国前トランプ大統領が長引く戦争を終わらせるために『アルカイダなどのテロ組織との関係断絶と引き換えに駐留米軍撤退に合意した』バイデン政権は、アフガン政府と、タリバンの和平交渉が進まないまま8月間末に撤退期限に設定。タリバンは、5月から攻勢を強め、8月に首都カブールを含む国内8割の州都が陥落（かんらく）した。
タリバン政権の方針：『厳格なイスラム法に基づく統治の実現。女性の権利（就労、教育の禁止）、教育の享受、表現の自由などの抑圧』。市民⇒不安や警戒感が強い。
海外のからの懸念：『テロ組織の拠点』。タリバンによるイスラム法の解釈、裁量権が大きく、国民の生活や人権に悪影響するのではないか。
タリバン政権を国際社会が認めるのか？暴力の停止、子供や女性の人権を守るための関与を続ける。G7は来週にオンラインで首脳会合を開く予定。
※中国：『アフガニスタンに圧力をかけるべきではない』王毅外相。タリバンに融和的な政治の枠組みを見守る姿勢を強調。狙い：国境を接する新疆ウイグル自治区の独立を主張するイスラム勢力とイスラム過激派が連携して活動を活性化させるのを回避したい。
ガニ政権（親米）の崩壊：アメリカの後ろ盾をなくし、もともと汚職や腐敗がはびこり一部の人が独占するような不安定な状態が続いた。国民の暮らしも向上しない。⇒地方の州政府役人は、政権を離れていった。汚職が軍や治安部隊にも広がり、タリバンの抗戦を抑え込めなかった。
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アフガニスタンとは：イラン、パキスタン、中国などと国境を接し、パシュトゥン人やタジク人、ウズベク人などからなる多民族国家。民族や部族ごとのまとまりが強い国家。
日本を含めた国際社会は、アメリカ同時テロ後、タリバン政権を崩壊し、新たな国づくりと復興を支援してきた。
日本との関り：2001年以降、復興支援を提供、治安維持、農業、インフラ、保健、教育など7000億円を拠出。中村哲（故）さんも長年干ばつに苦しむ人たちを助けようと、用水路の整備や農地開拓に取り組んできた。
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参照：
瓦解（がかい）：物事の一部の崩れがから全体の組織が壊れてしまうこと。
陥落（かんらく）：攻め落とされること。例：首都が陥落する。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210822/k10013216391000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210820/k10013214021000.html
