NZTAKMANのブログ

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中国に乗っ取られるマレーシアの危機

マレーシアは長年、世界各地から定住者誘致を推し進めてきた。しかし、外国人の定住者の大量移住、特に中国大陸からの制限対策として、定住希望者向けビザ(Malaysia My Second Home Programme)の見直しを行い、2021年10月から施行されることを発表した。

■人気の定住先:マレーシアは、日本でも14年連続ロングステイ希望国のトップとして高い人気を誇っている。(2位:タイ 3位ハワイ 4位フィリピン 5位台湾)

■人気のポイント:インフラが整備されている/物価が安い(1/2から2/3ぐらい)/MM2Hビザが都合がよい/英語が通じる/常夏/親日家/治安が比較的良い/食事が日本人に合うなど

■現在のビザ状況:『MM2H』ビザは2002年に始まったビザ。一定額の資産証明を提示し、諸条件をクリアすれば、現地に住居を構えることができ、現地での就業、投資をしなくても住むことが可能。中国、韓国、英国、日本などから移住する人がいる。

■ビザの変更点。月収:27万から『月収108万円以上』(×4倍)

資産証明:1350万円⇒4050万円(×3倍)

有効期限:10年⇒5年 など、資金証明や諸費用が上がり、より収入の高い層しか条件を満たせない内容になっている。

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■変更による影響:現在57,478人のMM2H登録者がおり、そのうち約半分の28,249人が新しい条件を見たさない出国の対象者となる。

■狙い:中華層の大量移住の制限、定住ビザの内容の見直し(近隣諸国より寛大な内容だった)。永住目的の人のふるいをかけ、より長期的に国益になる人にビザを供給したい。

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中国人のマレーシア移住のメリット:不動産が中国の都市より安い、治安が良く、教育水準も高く、中華料理が安く食べられる。⇒中国の富裕層の比率が増える。MM2Hの30%が中国人。2006年頃から中国の経済成長と共に、マレーシアではタワマン物件の爆買いが沸騰した。

■問題:1)ビザを取りながらもマレーシアに全く済まない人が7000人(16%)いる。⇒永住へのビジネス創出、消費、教育など経済効果が拡大しない。

2)政治的懸念:中国の富裕層の影響力、中国政府の勢力拡大の可能性。

3)治安維持:マレーシア市民 vs 外国人定住者。地域の摩擦。

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■コロナ対策失敗:6月以降感染者が増え続け、9月現在1日平均17,970人の新規感染者となる。全土で大規模な都市封鎖が始まっても成果が出ていない状況。

要因1)5月中旬にあるイスラム教徒の断食明けの大祭、ハリラヤ・プアサによるクラスター感染。20万人もが規則を破り、帰省していたこと。(実際は、帰省や移動制限されていたにもかかわらず)

要因2)ワクチン接種が進んでいない。ワクチンの確保にもたついている。

国民はさらに予約が取りにくく、会場は長蛇の列。医療崩壊。ィ割が見えない精神的疲労。

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参照:

https://president.jp/articles/-/49668?page=1

https://hallfield.jp/blog/Malaysia-ijyu

https://www.theedgemarkets.com/article/rhb-stays-neutral-property-sector-new-mm2h-rules-seen-having-minimal-negative-impact

https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/malaysia/

https://toyokeizai.net/articles/-/431954