NZTAKMANのブログ

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マレーシアへの中華系移民

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■マレーシアとは:アジアで珍しい多民族多宗教国家。マレー人、葉人、インド人、先住民族などで構成され、イスラム教が国教でありながら、それぞれの信仰を認め合っている。一つの文化や宗教に統一されるのではなく、独立して融合し合う社会は、世界的に見ても珍しい。

民族構成はマレー系(65%)中華系(24%)インド系(8%)その他+混血。

 

■地政と歴史:昔から東西交易の中継点。アジア、ヨーロッパ、中東を結ぶ貿易拠点。

インドネシア⇒(イスラム文化の影響を受ける)⇒ポルトガル⇒日本⇒イギリス⇒独立

14世紀:マラッカ王国:インドネシア・スマトラ島の王子パメスワラにより建国。商港として発展し、ペルシャ・アラブからやってきたイスラム教を積極的に取り入れる。

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16世紀(大航海時代・香辛料交易)ポルトガルがこの地を占領。東南アジアやインドで生産されたコショウをポルトガル人がヨーロッパやアジアへ広めた。同時に、キリスト教の布教の拠点にもした。

1941-1945(太平洋戦争)日本の占領下となる。戦後、イギリス領を経て、1963年にマレーシア連邦が成立。その後、1965年にシンガポールが独立し、現在のマレーシアが形成。

 

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■中国移民の歴史:(⓵明の時代(14-15世紀):明は朝貢(ちょうこう)制を推進。貿易や商業目的で人の移動が始まったため。)

➁清以降―:(1840年に起こったアヘン戦争後)、1874年イギリスがマレーシアを開発する労働力として中国人をすずとゴム産業の労働力として働かせたため。

 

錫(すず):缶づめ産業、ブリキ屋根の原材料として欧米で需要が高かった。

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ゴム:自動車や乗り物のタイヤとして急成長だった。

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広東省、福建省など中国南部出身者が多い。(華僑・華人)

⓵➁の人がそのまま住み着き、移住し、マレーシア国籍の中華系住民となった。

⇒マレーシアの今日の近代化、産業化の基盤となるインフラの整備や都市開発は、すずとゴムの経済効果であることは間違いない。

■労働の質:当時、中国人は土着のマレー人より、よく働き、辛抱強く、集団で農耕や森林を伐採に従事する貴重な人材として歓迎された。

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参照:

朝貢制:中国が近隣諸国の君主として君臨し、諸国はその臣下として中国に貢物(こうもつ・みつぎもの)を献上。その代わりに、中国は諸国に臣下としての称号を与える。

中国の上から目線な外交スタイルで、その狙いは臣下諸国に金品を与え、正式に臣下と認めることで、安定した国内の安定統治を目指した。

https://president.jp/articles/-/49668?page=1

https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/report/MY/2015/03/ancient.html

https://manareki.com/kango-boek

埼玉学園大学 内田雄一/中国系マレーシア人と適応力(2001)