恒大集団、経営破綻か?
恒大(こうだい)集団は、広東省深セン拠点の中国最大不動産会社。
2020年の年間売上高約8.5兆円。創業者は許家印(きょかいん)氏、1996年に創業、中国トップの富豪。従業員20万人規模。
■事業方針:金融機関から積極的に資金を借り入れ、物件を開発、販売する拡大路線を続けてきた。また、多角化戦略として、名門サッカーチームの運営、遊園地建設、電気自動車の製造なども行っている。
■何が起こっているのか?売上は上がっているが、税引き後の利益が上がっていない。⇒負債が30兆円以上に。
市場が飽和状態になり買い手が伸び悩んだ。さらに、仕入れ債務(下請け業者への建設費)が滞り、値引きをして物件を積極的に販売。
■懸念要素
運転資金が不足し、取引先への未払いで訴訟を起こされている。⇒物件の建設が完成しない。
中国人民銀行から呼び出され、経営を安定化させるように注意を受ける。
■経営がなぜ悪化しているのか?
中国政府⇒中国市民の不動産価格の高騰への不満を抑制しようとしている。
2020年以降、大手銀行の貸出総額のうち、不動産への融資額を40%に制限。
北京市:1家庭が持てるマンションの数は2つまで。しかし、不動産目的の偽装結婚が問題となり、離婚後、不動産を購入できない期間が1年から3年に延長。
不動産購入の締め付け⇒恒大集団の業績悪化⇒不動産バブルの引き金に?
■株価は下落傾向。
■対策は?
EV事業売却の買い手はまとまっていない。
政府の支援はあるのか不明。
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ひねけんさんの分析によると、
■PL 恒大VS三井 ⇒◎似たような構成。
■BS恒大VS三井 ⇒▲資産に対して負債の比率が高すぎる。⇒負債を支払える能力があるのか??
解決法1)持っている不動産(23.9兆円を売って、どう16.8兆円をカバーできるか)をどんどん売る。現金化。プラス1年の売上からも負債の支払にあてる。
売上債権:不動産を売って未回収の債権(収入)
仕入債務:すぐに支払わないといけない債務。下請け業者への建設料、人件費、など。
未払法人税等:支払いっていない法人税。
※有利子負債は含んでいない。つまり銀行から借りているお金の返済(16.8兆に含んでいない)。
■さらに見ていくと、2019年から利益率が急激に下がる。なぜか?
おそらく、仕入債務を支払うために、値引き物件をどんどん売っていると思われる。
売上は上がっているのに、利益率はダウン。資産が31兆で頭打ちで負債額も14兆から減らない。つまり、売っているのに、安売りして負債の支払いに当てられていない。
■他の事業はどうか?
利益率が低く、こけている。
■■この先どうなる?
下請け企業の業績悪化。
他の不動産会社にも影響。タワマンを安く売らないといけない?
同様の懸念で、業界の株価下落に影響。
銀行が債権を回収できない、個人投資家からクレーム?
失業率が増え、消費が落ち込む。治安が悪化。
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参照: