なぜ今石油が高騰?
■石油の価格はどう決まる?
原油の生産量(供給量)バーレーン、イラク、サウジ。
原油の調達量(需要量)東南アジア、中国、新興国
為替レート:米国の金融引き締めはドル高要因。ドルを買う投資家が多い。
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■原油の価格はニューヨークの市場で決まる。集積のメㇼット、(世界中の原油取引はNY)
⇒『世界中の売り手が集まり、皆で一斉に減産している。』『欧米では悪天候で、太陽光発電が難しいため火力発電用の原油を買う電力会社が多い』
石油会社は産油国に原油代金をドルで支払っている。
円安だと割高になり、円高だと割安になるからくりである。
為替レート
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■メカニズム:値段が上がるとき⇒生産量を減らしたり、調達国が増えたとき。
国際情勢:例、原油産出国の地域紛争が起きると、供給能力が下がる。供給量が上がると、価格も上がる。例:第一次石油危機
OPEC(石油輸出機構):かつては石油の供給を牛耳っていたが今は影響力が下がってきている。(世界の半分から3分の1へ)
冬場は夏場より暖房などに燃料の需要が高まる。
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■エネルギー(化石燃料)の歴史
国際紛争が起きる要因の70%はエネルギー資源の利権争い。エネルギー資源は特定の地域に限定するが、エネルギーは人の暮らしや産業にかかせないため、その限られた資源の取り合いになる。
ほしい人:巨大資本、企業、巨大政権など支配権を独占した勢力。
産油国が流通システムをふさげば、あるいは災害・紛争などが原因で絶たれれば、たちまち石油危機に陥り戦争に発展するリスクがある。
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■化石燃料の需要が下がれば、
ニーズが減れば、値段も下がる。ニーズが減るという事は、奪い合いが緩和する。つまり、争いや緊迫関係が改善される。値段が下がれば、電気が不十分な地域にも電力を供給でき、結果格差是正、貧困問題の解消につながる。人々の暮らしの質が上がる。
■過去の統計:例:50円(1966年)
1988年リッター122円
/148円(2018年)/170円(2021年)
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■何が今価格に影響しているのか?
原油の需要(冬場、円安、コロナ禍の経済建て直し)が高まっているのにもかかわらず、産油国がコロナの影響により、経済活動がストップするかわからないため増産に消極的だから。
結果、需要>供給となり価格が高騰している。
※円安のため価格の上がった原油をさらに割高で買う事になったのも影響。
■石油価格が上昇すると、どんな他にどんな影響があるのか?
⇒1年間で2万8000円ほど家計に負担がかかる。1か月2333円。
企業は輸入コストが増加し、収益が減る。
家計は、ガソリンや暖房のコスト増、ボーナス減により購買力が下がる。消費が冷え込む。
燃料費(ガソリン代、航空機燃料、灯油、重油(アスファルトの材料)など。)
向上の燃料費や物流コスト(トラックのガソリン代、陸路、航路も)
温室栽培の野菜の価格も上がる(ボイラー)。
船の燃料にも影響=漁業の経費にも圧迫。
ペットボトル、レジ袋、食品トレー、アクリル樹脂など多くの製品に使われている。
国民の生活費に圧迫⇒選挙や政権の支持率にも影響。
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■石油価格を安定させるには?
供給国との外交:安定した流通路を確保することと安定した原油価格を維持すること。
脱石油エネルギー(長期的):自給自足エネルギーにシフトすること。太陽・水力・風力発電など石油に依存しないエネルギー源を自国で開発すること。原油の輸入量、価格に依存しないこと。
政府の石油備蓄放出(短期的):日本では第一次オイルショック後をきっかけに1975年(石油備蓄法)から石油精製・元売りおよび輸入業者に90日分の民間備蓄を義務付けた。
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参照:
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/articles/20211125.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/67b30a64e2de2cda3386c5ce0010eb24dabddf1a
https://www3.nhk.or.jp/news/spcial/sakusakukeizai/articles/20211014.html