スキンシップと癒し
■日本人とスキンシップ:欧米文化に比べて接触する機会が少ない文化。さらにリモート環境、黙食など人との関りが希薄な2021年。⇒人間は無意識にストレスを溜め込みがち。
■なぜストレスか?実際に人と出会い、スキンシップをすることで安心を得てストレス解消しているから。肌と肌を触れ合うことで信頼感を得て、人間関係も良好になる。知能が発達していない赤ちゃんは、何でも舐めて(触覚)でそれが何か確かめようとする。もっと原始的なセンサーである。
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■スキンシップがどのように安心感を与えるのか?
肌は外界と接する器官であり、温度だけでなく、痛みや心地よさも感じることができ、『第二の脳』と呼ばれるほど、情報処理能力を持っている。皮膚から脳へ触覚を伝えるのが、C触覚線錐で毛がある箇所(腕や頭など)にあり、1秒に5cmの速度で触れると興奮し脳に信号が送られる。そして脳がその信号を受けてオキシトシン(愛情ホルモン)というホルモンが分泌され、心地よく感じる。そよ風が気持ちよく感じるにも、風邪により皮膚の毛が刺激されているから。
人間以外にも、犬や猫にも同じ線錐があり、毛づくろいや人に撫でられて気持ちよさそうなのはこの働きによるもの。
■哺乳類特有のメカニズム
なぜか?
母子が密着して育つため肌が触れ合うことで安心感や心地よさを感じるから。
■触れる側も癒される。
『触れる側』にも効果がある。例:マッサージ師は仕事をして疲れにくい、むしろお客さんから元気をもらう。疲れたり、セルフケアも効果あるし、相手にしてあげるのも自分の癒しになる。
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■副腎(ふくじん):腎臓(じんぞう)の上にある1cm大の小さな臓器。
生命維持に必要なコルチゾール(ホルモン)を分泌し、血圧・血糖・水分・塩分量など
体内環境を維持するためのホルモンを分泌する。
■コルチゾール(ストレスホルモン):心身がストレスを受けると分泌が増えることからストレスホルモンと呼ばれている。これにより体がストレスから身を守ろうとする働きがある。
瞬間的な分泌は問題ないが、長期的にストレスにさらされることで脳の海馬が委縮させることがわかっている。実際に慢性的な虐待を受けている子どもは記憶力が低下してしまうことがある。他にも過度にストレスがかかると、体全体の代謝のバランスが崩れる。⇒不眠症やうつ病、メンタル不全に。他にも、心臓病、高血圧、糖尿病をはじめ、免疫力を低下させる原因となる。
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参照:
https://www.konishi-clinic.com/medical_information/archives/149
http://www.twmu.ac.jp/TWMU/Medicine/RinshoKouza/021/patient/hormone/p09.html
https://yuhobika.net/yuhobikaweb/zenwan_wo_naderu/
山口創(やまぐち・はじめ)さん。
心身を癒すタッチング。倫風2021年11月P56。