NZTAKMANのブログ

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スマホ脳① アンデシュ・ハンセン

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章■人類はスマホなしの歴史

人間の脳は適応していない。

脳の進化は過去1万年、狩猟と採取の生活。デジタル社会は、一瞬に過ぎない。

 

デジタル化がメンタルにどう影響するのか?

 

人との関りが一気に変わるライフスタイル。特に若者への影響が大きい。

結果:ストレスが増え、運動不足(座りっぱなしな猫背)、睡眠時間が減る。⇒これに脳が対応できない=精神障害

脳(身体)の欲求は、睡眠、運動、お互いの強い要求(他者との関り)が備わっている。これを無視すると、精神状態が悪くなる。スウェーデンでは、2000年頃を比べて、睡眠障害の人が8倍に。

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2章■ストレスの役目

HPA系(視床下部―下垂体―副腎)とは、脊椎(せきつい)動物(イヌ、ネコ、鳥、トカゲなど)に備わっているストレス防御システム。視床下部(ししょうかぶ脳の部分)から始まり、脳の下部にある下垂体(かすいたい)という分泌器に信号が送られ、腎臓の上部になる副腎(ふくじん)へコルチゾールというホルモンを分泌するように命令する。

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⇒なぜ発達したか?
生存のため。脅威に遭遇したときに、闘争か逃走かを判断するために、体全身に警報サイン流れる仕組み。これによって筋肉に大量の血液が流れ、心拍が速くなる。(いわゆる緊張状態)

現代のストレスは? 会社、家庭、人間関係など。

生命に危機はないレベルだが、仕事の締め切りや住宅ローン、SNSの反応など命に関わらないが、長時間脳内で同じストレスが作動する。長期にわたって、ストレスホルモンが増えると、やがて脳は対応(機能)できなくなる。ライオンの出くわした状態がずっと続くわけだ。

 

コルチゾール(ストレスホルモン):副腎皮質から分布されるホルモンの一種。心身がストレスを受けると、副腎から分泌され、『戦うか逃げるか』の為に、筋肉に大量のエネルギーを集めるために、拍動を上げる。適度な分泌は問題がないが、ストレスが中レベルであると、消化不良、不眠、性欲低下などを起こし、ストレスレべルがさらに高いと、心身余裕がなくなり、苛立ちやすくなる。長期的なストレスにさらされると、脳の海馬を委縮され、長期記憶の保存が困難になることが分かっている。分泌過多は、ストレスから身を守ろうとする現象。

いつ分泌?朝が多い。夜は少なくなりリズムを整える。過剰なストレスは慢性的な分泌量増加につながり、心身疲れやすくなる。

 

コルチゾールの分泌パランスの調整法。

適度な有酸素運動。サイクリング、ジョギングなど。運動習慣がある人はない人よりもコルチの分泌が少ない報告がある。運動(ストレス)により、体にコルチの分泌に対応できるようになってくる。分泌量も自然にコントロールできるようになり、睡眠の質も上がる。

ストレス(例:人前でスピーチする)を与えると、コルコルチゾールの分泌が2,3倍に増加すると言われている。体全体のいろいろな臓器に作用して、糖質や資質、たんぱく質の代謝に影響を与えたり、血糖を上げたり、体の炎症やアレルギー反応を抑える働きがある。

どのように?免疫系、中枢神経系、代謝系に対して様々な生理的作用を促す。例:炎症のコントリールを悪くする、うつ病患者にはコルチゾール値が高いと言われている。

偏桃体:(へんとうたい:脳の側頭葉の内側にある小さな細胞の集合体。左右にひとつずつある。

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人体の火災報知器と言われている。周囲の危険に目を配り、些細な危険も警報を鳴らす。敏感だか、必ずしも正確ではない。例:目の前のビニールホースがヘビに見え、立ち止まって警戒する。⇒警報がHPA系の作動させる。間違えて鳴らないより、鳴りすぎる方がいい。

 

不安:SNSで友達から反応がない、インスタでいいねがない⇒人との関りがデジタル化主流であり、不安になる頻度やレベルが以前より高くなったまた人間特有の『もしも』の話に異常に恐怖を感じる。ネットでの偽情報に振り回されるわけだ。⇒不安が身近にあり、HPAが作動し、心身が戦闘モードに入る。これは、大勢の前でスピーチをしたり、

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章■スマホはドラッグ

三大神経伝達物質。セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン。

ドーパミンとは、神経伝達物質の一種(幸せホルモンの一種)で、我々のやる気や幸福感だけでなく、感情、意欲、思考などの心の機能に大きく関与している。元々は生き抜くための戦略性が進化して、新しい事を知るとドーパミンが出る仕組みとなった

。⇒新しい経験をしたい、あたしい出会い、場所など未知を知りたい欲求。スマホやパソコンのクリックが新しい知識や情報に触れる動機となる。またドーパミンの特徴に、確実な報酬よりも、何かが起こるかもしれないという期待に駆り立てられたとき、分泌される。つまり、『もしかしたら』がスマホを欲するようになる。実際にメールを読んでいる時よりも、着信音が聞こえた時の方がドーパミンの量が増える。『大事かもしれない』がやがて10分おきに発生し、スマホ中毒になる。

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4章■集中力について

マルチタスク=集中力が低下の法則

マルチタスク派の人が、集中力(暗記タスクや思考力)が低い結果(スタンフォード大学)が明らかとなった。注意が散漫しやすいわけだ。複数の作業を同時にしているようで、実際は2つの作業間の集中を切り替えているだけ。本当にマルチタスクで集中が途切れない人は全体の1~2%だと言われている。

切替時間のロス。切替時間は必要で、元の作業に戻るまでに数秒から数分までかかると言われている。

脳は集中を分散させ、現れるものに反応するようように進化した⇒ドーパミンを与えてマルチタスクをさせ、気が散るように進化した。

長期記憶(固定化)への悪影響=PC入力より手書きのすすめ。スマホが近くにあるだけでも、集中力は低下する。

紙とペンで講義を記録した学生の方が、パソコンでノートを取った学生よりも理解度が高かった(実験)。パソコンは聴いた言葉を素早くそのまま入力するだけに対して、手書き作業は、速く書き留められないため、一度考えて(情報を処理)から記録するため、要約したりポイントを絞る工程が頭でプロセスし、結果学習効果が高いと推測さえる。

SNSに返信しながら、読書をすると、表面的な情報に溢れ、優先するこが難しく理解度が悪く時間もかかる(切替時間)実験結果も出ている。つまり、学習効果が低いわけだ。

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5章■スクリーンがメンタルに与える影響

コルチゾールの上昇スマホを頻繁に使う人程、スマホを失くす(=ドーパミンを与えてくれる対象を失う)と、不安に駆られ、激しいストレス反応を起こす。

不安とスマホ使用度の相関性

スマホを熱心に使う人ほどストレス問題やうつををかかえている率が高い。

実験:スマホを手放して、不安と心配を計測したところ、手放した時間が長い程、不安が増す事がわかり、不安の度合いが大きい人ほどスマホを頻繁に使っている人が多かった。

 なぜ眠るのか?

  • 清掃システム(脳の掃除):昼間壊れたたんぱく質を老廃物として脳から除去。脳機能を維持するために不可欠な作業。睡眠不足は、脳卒中や認知症などの病気のリスクを高める。
  • 集中力と情緒:睡眠不足は集中力が低下して、イライラしやすくなる。
  • 短期記憶から長期記憶へ:固定化。塾睡時に重要な情報(知識)を選び抜かれ、保存される。学習は、訓練と睡眠の組み合わせによって効果が得られる。

スマホと睡眠の関係ストレス反応、メラトニン、ブルーライト、運動

寝る前にスマホを見ると、HPA系が作動して(ストレス反応をして)脳があなたを眠らせないようにしている状態。さらに、パソコンやスマホに多く含まれるブルーライトは、メラトニンの分泌を抑えたり、分泌を2,3時間遅らせる効果がある。つまり、寝る前にタブレット端末を使うと、ブルーライトが脳を目覚めさせ、体内時計を狂わせる。さらに、SNSによるドーパミンの刺激を受ければ、より質のよい睡眠の阻害となる。⇒翌日疲労感が取れない。集中できないなどメンタル障害に影響。電子書籍も紙の本に比べて、睡眠を遅らせてしまう実験結果もある。(メラトニンの減少と遅延)

対策:スマホをベットの脇に置かない。できれば寝室に置かないのがより良い睡眠の第一歩である。(特に子供には注意すること)。さらに運動を週3回を目安にすると良質な睡眠につながる。

 

メラトニンとは、脳の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分から分泌される睡眠ホルモン。

体内時計に働きかける事で、覚醒と睡眠を切り替えて自然な眠りを誘う作用がある。朝光を浴びると、体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌が止まり活動状態になる。目覚めてから、14から16時間後、体内時計の指示で再び分泌が始まり、徐々に眠気を感じるようになる。

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参照:

黎明期(れいめい):明け方。転じてある事柄が形になる前の始まりの時期。例:5G黎明期、TVアニメ黎明期など。新しく時代が始まるといった意味。

双極性障害:躁(そう)うつ病。ハイテンションで活発な躁状態と憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す。原因ははっきりわかっていないけれど、体内で作られる特定の物質が正常に調節されていない可能性がある。特にストレスを感じる時に発症しやすい傾向がある。

躁病:病的なまでに気分が高揚して、開放的になったり、尊大な振る舞いをするなど問題高度につながる精神状態。躁(さわぐ)⇔さわぐ、せかせかとさわがしいこと

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_bipolar.html

http://www.nips.ac.jp/srpbs/media/press/110513ncnp_kunugi_press.pdf

https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2016/87-column-2.html

https://anger-m.ws/mechanism.html

https://www.konishi-clinic.com/medical_information/archives/149

https://www.tainaidokei.jp/mechanism/3_3.html