イスラム教とは
■イスラム教とは?
7世紀初め(630年)、アラビア半島のメッカ(サウジアラビア)で預言者のムハンマドが創始した宗教。※預言者とは神の言葉を預かり、人々の伝える者のこと。予言者(未来を予言する)と違う。実在する人物。偶像崇拝禁止のため肖像画なし。
シルクロードから(ビザンツとササン朝の争いを避けて)メッカで商業が盛んになる。
次第に、貧富の差が生まれる。⇒人は平等のはず、と説いたのがムハンマド。
■カアバ神殿とは?:メッカにあるモスク『マスジド・ハラーム』の中心部にある高さ15mの立方体の建造物。イスラム教最高の聖地と言われている聖殿。メッカを取り巻く山から切り出された灰色の石で造られ、東の壁面の一部にはイスラム教徒が神聖視する黒い石がはめ込まれている。
■ムスリムとは?
イスラム教を信じている人々のこと。イスラム教徒=ムスリム。唯一の神、アッラーを信じ、礼拝、断食、巡礼などの神の教えで決められている行動を日々行っている。
モスク(もしくはスラウ)と呼ばれる礼拝所でお祈りを行っており、イスラム国家ではショッピングセンターや空港に設されている。
■イスラームとはどういう意味?
イスラームとは、アラビア語で『神に帰依すること』『すべてを神にゆだねること』という意味。そして、その神にゆだねる人たちを『ムスリム』と呼ぶ。
■イスラム教の教えとは?
神を信じ、コーランにある神の命令(生き方やルール)に従って生きることで、死んだ後に天国へ行けるという考え方。イスラム教では、私たちが今生きている現世は『仮の世』。来世の天国と地獄ことが『永遠』で本物の人生。
神の命令の代表が『六信五行』=6つの信じるべきことと5つの行うべきことの意味。
六信=神、天使、啓典、預言者、来世、天命。
五行=信仰告白、礼拝、喜捨(きしゃ:寺社や貧しい人に金品を寄付すること)、断食、巡礼。
■イスラム教の特徴は?
『日常生活すべてを支配する』。食事のルール、服装、結婚、商売など。行動に迷いがあれば、それらのルールを解釈する。
平等主義:ムスリムはアッラーの前で皆平等であり、人種、民族、国家、言語などの境界を越えて受け入れるという考え方。世界で広まった要因。
■イスラム教の神は?
アッラー。アラビア語で『神』を意味する。アッラーは唯一無二、永遠の絶対者で、全知全能の創造主。アッラーには、慈悲深く、優しく、恐く、嫉妬深く、正義感も強い様々な側面がある。
※慈悲深い:立場の弱い人や周囲の人を大切に思い、何かをしてあげたい、助けてあげたいという気持ちや行動のこと。
■ユダヤ教、キリスト教と同じルーツをもつ一神教(世界三大宗教)
神はアッラー。
イスラム教は唯一神(アッラー)に服従、帰依(きえ:神や仏など優れた者に服従し、すがること)する考えで、ムハンマドに啓示された神の言葉をまとめたクルアーン(コーラン)を啓典とする。
■クルアーン(コーラン)
神の教え。神が預言者ムハンマドを通して人々に下した聖典。預言者とは神の言葉を預かる人のこと(代理人、伝達者)。
預言者ムハンマドが23年間にわたり天使ジブリール(カブリエル)を通じて神からの啓示を受けたとさえる集大成がクルアーン。
■ハラル、ヒジャブ
■なぜ偶像崇拝が禁止されているか?
神(アッラー)は唯一の存在であり、他のものに対して祈ったり、像を作る行為は神聖を汚す行為にはるから。ルーツはユダヤ教の偶像崇拝禁止の掟から。図工の授業がない。イスラム教の教えに反するから。
※仏教では偶像崇拝が認められている。仏像に手を合わせたり、頭を下げたりして敬うことは問題ない。
■イスラム教はなぜ過激に思われるのか?
一部の過激派イスラム組織によって、ジハードを正しく理解せずに、暴力的行為を正当化しているから。ジハード=異教徒を殺す、攻撃すること、ではない。
ジハード(聖なる戦い):異教徒に対する防衛のための戦闘行為。(本来の意味は、努力や奮闘)大ジハードと小ジハードがある。
大ジハード:精神的修養のこと。例:結婚して家族を養うために働くこと、両親にやさしくする、自分の目標に向かって努力することもジハード。
小ジハード:こちらから戦いを仕掛けてはならない。異教徒の攻撃からの自衛に限定された行為。ウンマ(イスラム共同体、国)が傷つけられた時、そのメンバーを守るために武器をとって戦うこと。
■イスラム教の布教と広がり(630年ー)
アラブ世界に広まったのと、日本で仏教が広まった時代(約550年頃)と同じくらい。
■ムハンマド死後、後継ぎカリフ(=ムハンマド後継者総称)は、勢力拡大。
ササン朝(東ローマ)を征服(ニハーバンドの戦い642年)
ムアーウィヤがウマイヤ朝(今のイラン、イラク周辺)を造る。661年
ビザンツ(西ローマ):シリア、エジプトを征服。
アフリカ北部、西ゴート王国(今のスペイン)まで制服。
■カリフの問題。世継ぎは誰がするか?
シーア派:血筋が大事
スンナ派:みんなOK⇒今はこちらが主流(90%)。
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■西アジアへ。
サハラ交易:金と岩塩を交換して貿易。
ニジェール川流域:大量の金が産出、しかし生活に必要な塩がない。
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■東南アジアへ。イスラム商人の香辛料貿易×イスラム教団の神秘主義が人々に受け入れられた。
1)マラッカ王国(14世紀末頃ー1511:マレー半島):海上貿易の要衝。アラブ商人が立ち寄った港町。
2)マタラム王国(1580年末―1755、ジャワ島中部)
3)アチェ王国(15世紀末―1912、スマトラ島の北部)
イスラーム神秘主義(スーフィズム):内面的な心の平安を獲得しようとする試み。禁欲主義を源流として、神との合一を目指す考え。
■富裕層や貧富の差が生まれる。現世的傾向が強まる。=死後の世界なんてわからないから神が作ったこの世で幸せになろうという考え方。(⇔来世的傾向:死後の世界で幸せを求める思想)
スーフィー:現世的な欲求を捨て、ひたすら神との合一、一体感を願い、禁欲に祈りささげる人々のこと。
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■中央アジアへ。
■東西貿易にイスラム教が浸透した。
陸の道を使って、ヨーロッパとアジアを結ぶ交易要衝。
トルコ人奴隷を西アジアへ輸出して莫大な利益を得る。
参照:
https://www.youtube.com/watch?v=_2Yx0ZG9xfU
http://www.isc.meiji.ac.jp/~tomyam/q&a01.html
https://www.toshin.com/sekai/interview/17/
https://yukashikisekai.com/?p=6133
https://www.f-tsunemi.com/blog/realislam/jihad/
https://www.youtube.com/watch?v=UxCjAi09dbE
http://www.totetu.org/lecture/2011/3.html
http://www.jacp.org/wp-content/uploads/2016/04/2006_33_hikaku_08_hosaka.pdf