2021年2月1日ミャンマー国軍権力掌握

軍事政権　VS　民主化運動　の話

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2020年11月に当選した議員が招集され、新大領領を選出する作業が始まる日。

しかし、アウンサンスー・チー国家顧問とその他関係者が国軍によって突然拘束された。

憲法417条にもとづく非常事態宣言発令。国軍最高司令官がすべて国家権限を握ることとなった。

■反応：国軍⇒治安部隊と抗議デモとの衝突で3月26日までに320人以上の死者を出す。

国民⇒抗議による大規模デモ。　非暴力、非服従を信念に平和的な解決策を。

国際社会⇒非民主的であると批判される。

■背景

1960年以来、約50年以上軍事政権が続いた国。2016年に初の民主政権の誕生。

■ミャンマー（旧ビルマ）とは：東南アジアのインドシナ半島西部に位置し、約日本の1.8倍の広さを持つ国（67万㎢）。米作りが盛んで、人口5400万人。国民の9割が仏教徒。公用語はビルマ語。

日本との歴史：1941年に旧日本軍はビルマに侵攻。ビルマ建国の父として知られるアウンサン将軍らと共に英国軍と戦って勝利し、42－45年にビルマを占領した。

■ミャンマーの主権は誰？

現憲法は、国軍が自らの権力を揺るがさない事を大前提に作られたもの。例：国防大臣や内務大臣が軍が任命。議席の定員の25％は軍人など、国軍の影響が強い。また憲法改正は上下両院の75％の賛成が必要であり、25％は軍人が占めるため、国軍が支援しない法案は否決され、実質民主化は進まない状況。

■軍事政権　VS　民主化運動　きっかけ：2020年11月：総選挙で与党の国民民主連盟（NLD）が大勝した。⇒国軍の幹部はメンツを重んじる。選書結果に不正があると調査要求をしたが通らず、威信を傷つけられたと受け止め。『民主制の下でも、自分達の方がスー・チー政権よりもうまく国を運営できる』との自負がある。また、強引な政権移譲は憲法の規定にのっとっており、国際社会から容認されると甘い認識があったのでは。

■デモが深刻化した４つの理由

１）形だけの民主化へ不満

2008年に新憲法が発布され、2010年から選挙が行われるようになった。しかし、現憲法は、国軍が自らの権力を揺るがさない事を大前提に作られたもの。例：国防大臣や内務大臣が軍が任命。議席の定員の25％は軍人など、国軍の影響が強い。また憲法改正は上下両院の75％の賛成が必要であり、25％は軍人が占めるため、国軍が支援しない法案は否決され、実質民主化は進まない状況。

２）生活苦が拍車をかけた抗議デモ

この10年経済成長はしたが（平均７％の成長）、国民の生活は改善されなかったこと。過剰な資金が流れた事により、インフレが発生し、生活の質はそれほど伸びず、貧困層はコロナの影響でさらに悪化。人々は追い詰められた。

３）間合いを探る国際社会

先進国との間合いの取り方。人権や民主主義の圧力にどう対処するのか。アメリカ、イギリス、カナダ、EUはスー・チーさんなどの釈放を求めが、制裁の強化をためらう先進国の先には中国やロシアがある。

中国⇒ミャンマー進出を加速したい。ミャンマーの天然ガスは中国に輸出、。また、一帯一路構想の陸路でも重要なルート上にある国。欧米諸国からの制裁に反対＝ミャンマーの国軍を保護。⇒強く圧力をかければ、中国への刺激にも成りかねない。

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