ドイツの2大時計産地
■グラスヒュッテ地方(銀工具産業がルーツ)⇒ドイツの東側に位置しチェコに近いエルツ山脈に囲まれた小さな街。人口2000人。時計職人であったアドルフ・ランゲが失業対策として、グラスヒュッテに時計メーカーを作ったことが始まり。もともとは銀鉱山の街であったが、やがて資源が枯渇して衰退。しかし、工具作りのノウハウを時計作りに転用した。また、近郊大都市のドレスデン(日本の仙台のような古都)は、ドイツ東部の文化的中心地で、持ち運び便利で精密な時計は人々に広まった。
時計産地として栄えた理由3つ。1)消費地に近かったこと(ドレスデン)。2)銀工具製造の基盤があり、優れた技術者がいたこと。3)アドルフ・ランゲの才能と創業の功績。宮廷時計師として王家の工芸品を発明し、また地域の貧困に苦しむ人々に雇用を与えたいという創業者マインド。
有名ブランド:ランゲアンドゾーネ(1845)、グラスヒュッテ・オリジナル(1845)ノモス(1990)、モリッツグロスマン(2008)など11社。
■シュバルツヴァルト地方(木製鳩時計がルーツ)⇒ドイツ南西部に位置する山地。フランス中東部のアルザス=ロレーヌとの国境であり、フランスの政治的影響が強い。別名ブラックフォレストと呼ばれ、森林資源が豊富。そのため1600年代前半から木製のケースや歯車を使った木製のクロック製造が盛んだった。(日本の江戸時代初期)やがて、1700年代前半に誕生した鳩時計がブームとなり、精密産業、時計産業が盛んになる。厳しい冬の屋内作業として地理的にもマッチした。
有名ブランド:ユンハンス(1861年江戸時代末期)、ハンハルト(1882)ラコ(1925)⇒軍用時計サプライヤー
参照:
https://www.powerwatch.jp/2020/10/10/30th_gw_2/
https://germanwatch.jp/history/history1/