NZTAKMANのブログ

30代。政治経済/社会/異文化/筋トレ/チームマネジメント

伊勢神宮④ 労働観と式年遷宮

 

■なぜ最速で経済大国になれたのか⇒日本人の『労働観』

『労働』は『罰』や『苦痛』ではなく神聖なものであり、喜びでもある。

日本の神さまは働き者。天照大御神⇒天上界で機織りや稲作に携わる。

天皇陛下⇒春には田植えを、秋には稲刈りをされる。

例:『海幸彦』『山幸彦』⇒漁労や狩猟を生業とした神さま。

 

■西洋の神は?

ユダヤ教、イスラム教、キリスト教⇒『労働』のない世界。キリスト教において人間は、働かなくても暮らせる『楽園』から追い出された『原罰』を背負う存在。罪を持つ人間には『罰』として労働がかせられる。

 

■なぜ日本の神さまは人と同じように働くのか?⇒あの世はこの世のすぐ側にあるから。

神々の世界と人間の世界はすぐ側にあるという考え方。相通じて、反映しているという捉え方。

『隠り世(かくりよ)』:神々の世界。あの世、死後の世界。高天原(たかまのはら)がある。『現し世(うつしよ)』:この世。日没と日の出はあの世とこの世が通じやすい瞬間。

 

■式年遷宮(しきねんせんぐう)とは? 世界的に稀有なシステム。

20年に一度、社殿を建て替えるシステム。現代まで62回行われ、社殿はすべて古代と同じ御用材(ごようざい)を使い、同じ仕様で式年遷宮開始から1300年あまり造営され続けている。690年天武天皇がご提案され、時代の持統天皇(じとう)が実施。遷宮とは宮を遷すという意味。具体的な特徴:素木(しらき)の建物 茅葺き屋根(かやぶき=稲で作った屋根)社殿は100以上もあり総額550億円。する事3点①『社殿の造営』②『神宝を新調する』③『神々に新社殿にお遷り頂く』

VS世界では⇒ギリシャのパルテノン神殿。巨大な石造り。今は信仰の対象ではなく、観光地。

■なぜ神さまの住まいを遷すのか?⇒定説はない。

生命を循環させ、伝統を守る古代からの知恵。実践編:『鳥総(とぶさ)立て。』大木を伐採したあとの切り株に割れ目を入れ、その木の枝の先(梢=こずえ)を挿す習わし。木を使わせて頂くことに感謝して、木の再生を願う。

■神宝の調整

⇒伝統技術を後世に伝えること。例:染織、鍛冶、漆芸、金工、木工、竹工

■式年遷宮がなぜ1300年も続いているのか?

『足るを知る』文化。⇒もっともっとという拡張思想をもたなかったから。

To be satisfied with what you have. 感謝の気持ちを忘れず、いつも笑顔でつつましく。

日本は内向き志向。過度に欲望をもたず、あるものと今で満足する謙虚な精神であり美徳。

島国の日本で人々は生まれ、代々その土地で自給自足を送り一生を終える。⇒身の丈にあった暮らし方。

参照:

吉川竜実:一番大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる。(サンマーク出版)