大きな政府 vs 小さな政府
◆小さな政府と大きな政府の違い。
小さな政府Limited Governmentとは、経済活動に極力政府が加担しない在り方。低税率、公共サービス、政府支出最小限が基本方針。自由経済主義型。
税収入を抑える事で経済の発展や人材の質、創意工夫にあるれたサービスを作りやすい構造となっている。国民はまた年金をどこで積み立てるか選択できるメリットもある。一方で、これからは富裕層に有利に働き経済格差が生まれやすい。医療費、学費など自己負担が多く社会的弱者を切り捨てられやすいデメリットもある。
大きな政府 Big Government―政府が経済活動に介入するあり方。社会主義型。税収を増やし、積極的な医療福祉の充実化、教育の学費サポート、公共事業への投資、国営企業や公共事業が多いのも特徴である。個人の負担が少なくし、国民が平等に社会福祉を受けられるメリットがある。しかし、高税率による経済発展や個人のやる気を妨げかねない側面もある。
◆関連指数:政府の方針を知る上で参考になるのが、政府の支出構成と公務員の割合だ。これらの数字が高い程、政府の産業活動の影響力が高い。
■ |
JPN |
NZ |
OECD |
Scandiavian |
政府支出比(GDP 2013) |
38% |
40% |
41% |
50% |
公務員割合(労働市場 2015) |
8% |
12% |
21% |
30-35% |
日本は先進国(OECD)でも公務員の割合が極めて低く、民間企業や個人主導の社会構造である。NZも先進国の中では、民間主導型と言えるだろう。しかし、NZは社会的社会主義を重視する政党(労働党)の支持率も高く、貧困の拡大や医療崩壊など行き過ぎた自由経済による悪影響は監視されやすい仕組みとなっている。
◆高齢化社会が引き起こす社会問題
先進国では少子化高齢化が今後も進むにつれ、『育児、介護、雇用、教育、年金』といった生活の基本的ニーズを誰が面倒を見るのかということが大きなテーマとなってくる。加えて、災害、テロ、感染病など緊急時の政府の役割がより重要になってくる。経済は一層デジタル化が加速し、より不規則で変化の激しい時代へとシフトしていく。北欧の人にやさしい安心型『大きな政府』がより主導になる時代がくるだろう。
参照:
『小さな政府』『大きな政府』日本の公務員の数を起点に考える、日本の政府のあり方
https://data.wingarc.com/small-government-big-government-19663
日本の公務員は先進国で最も少なく、収入レベルでは突出して高い
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-5959.php
NZ Government at Glance 2019
https://www.oecd.org/gov/gov-at-a-glance-2019-new-zealand.pdf
公務員は多いのか少ないのか国際比較
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20190209-00113681/
OECD Stats Public Sector Employment